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朝日ライフ アセットマネジメント株式会社「SRI 社会貢献ファンド」-Part1

  SRIファンドとして長期の運用実績がある「あすのはね(愛称)」について、朝日ライフマネジメントで投信事業を担当される執行役員の城下悦夫氏にお話を伺いました。

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取材日時  平成24年11月16日  10:00~12:00
場所        朝日ライフ アセットマネジメント本社応接室

現在はどのような仕事をされていらっしゃいますか

  2009年に立ち上げた私どもの投信営業グループは、現在6名体制で公募投信と私募投信のマーケティングを行っています。金融機関(証券会社、銀行等)に対し、私どもの商品を採用してもらうための営業展開をするのが大きな業務の柱です。もう一つ、セミナーや勉強会を通じた投資の啓蒙活動にも精力的に取組んでいます。特に長期投資に関する啓蒙活動には重点をおいております。

社会貢献(SRI)ファンド(通称:あすのはね)を設定した背景や問題意識をお聞かせ下さい

  親会社が生命保険会社であることからも、私どもは商品に長寿ファンドの志向を持っています。流行り廃りではなく、金融商品として長く愛され、結果を出せるファンドを設定するのが私どもの基本的な姿勢です。
  「あすのはね」は2000年に設定された国内でも最古のSRIファンドの一つだと思います。既に海外でこの種のファンドは設定されており、日本においてもその市場が拡大していくだろうとの思いで業界に先駆けてスタートする事になりました。
  私どもは常々国内外でその投資機会がどこにあるのかを探していますが、「あすのはね」についても、日頃のそういった活動の中で見出した投資機会の一つという位置づけです。

投資信託で資産形成をするメリット、デメリットは

  一般的なメリットは、小口投資が可能であったり、分別管理や個別元本方式などのしくみですが、デメリットはファンドの数が多すぎて投資家からみれば選択肢が多すぎる事ことです。現在、公募投信の数は4000本を超えています。投資家がファンドを選ぶに際、ある一定レベルの金融リテラシーが必要とされます。現在のところ、投資教育は道半ばでファンドが乱立されている状態であります。投信の問題というより、どう活用していくかというソフト面が欠落している気がします。そういった状況も当然確定拠出年金(DC)での投資信託の拡大や投資信託市場全体の伸び悩みの大きな要因となっているのではないかと思っています。

わが国の投資信託がアメリカに比べてポピュラーでない金融商品である要因はどこにあるとお考えですか

  国民性の問題がかなり大きいと思います。例えば長期投資に対する嗜好の部分です。株式投資をベースに考えた場合、株式投資=ギャンブル的なイメージがあるのではないでしょうか。アメリカや中国では会社を創業してビジネスを始めようという起業意識が目立ち、日本よりも創業率が高いです。会社は売上をあげて利益を出していく対象として捉えているので、通常のビジネスも株式投資もそれほど違いはないとの感覚ではないでしょうか。
  過去においてアメリカでもDC(401K)は当初なかなか伸び悩んだようですが、税制の変更や株式市場の上昇もあってかなり普及してきました。残念ながら日本はこれからです。

今後の投信マーケティング戦略の潮流について

  ネット世代あるいはケータイ世代に訴求するための取り組みは、関係者の皆さんが一生懸命アイデアを出しながら取り組んでいらっしゃるところです。私たち自身も数年前にHPを改訂して試行錯誤を繰り返しています。質・量・タイミングを加味したコンテンツを提供し、如何に顧客満足度を高めていけるかが重要です。SNSを使う会社も増え、ツイッターも有益なツールの一つだと思います。
  ただ現実問題、このネットで商品の魅力や、ファンド・マネジメント、運用現状を伝えるのには限界があります。どのファンドが良さそうかのアタリはつけられてもファンドへの本質的な理解は対面によるマーケティング活動により高めるしかないのではないかと思います。

投資教育は誰がやるべきだと思われますか

  投資家自身、販売会社・運用会社ができる限りそこに関与していく事が大事です。ここで仮に長期的なパフォーマンスの良い商品が良い商品だとしますと、良い商品だと投資家に勧めるためには何故パフォーマンスが良いかの説明が不可欠です。投資家(受益者)が良いのか悪いのかが判らないという場合であれば、販売会社が相手のレベルに合わせ理解が高まるような努力が必要になるでしょうし、一方で投資家も自らレベルを上げなければ理解できないこともあると思います。本格的な投資教育は学校教育の場で取り入れ、ロングランな重要課題としての認識に立った上で全員で取り組まなければならないテーマだと思います。

SRIファンド全体として販売的にも運用成績的にも芳しくない状況と思われる日本の現状をどう分析されますか

  まず金融商品である以上、良好な運用成績を上げる必要があります。販売現場から見ても、投資哲学に沿った良好な運用成績となっていないとすれば、推奨に躊躇するし人気にも翳りが出るのだと思います。
  SRIファンドがテーマ・ファンドの域を超えないというムードもまだあると思います。社会貢献ファンドは、本来テーマ・ファンドではないのですが、テーマ・ファンドと思われている印象があります。
  しかしながら東日本大震災以降、非財務部門の分析の重要性、特にESG(環境、社会、ガバナンス)の重要性を意識し始めました。パフォーマンス実績がついてくれば期待も膨らんでくると思われます。

日本にSRIファンド文化を根付かせるためにどのような取り組みをされていますか

  先ほど申し上げたような啓蒙活動や投資教育も勿論しなくてはなりません。これは引き続き積極的にやっていきます。私どもは啓蒙活動という意味で他の運用会社を含めたSRI関係者との連携もかなり推進しております。2009年には手弁当で事業会社・金融機関・CSR関係者・経済産業省とかなり大きなセミナーを開催しました。またSRI関係者の集いという私的な会で情報交換したり、社会的責任投資フォーラム(SIF)というNPO法人とも連携しています。
  SRIの概念はもとよりそれが当たり前というのが欧米感覚にはあり、日本においてもそういうレベルにならなければならないと思います。SRI分類のファンドの運用成績は一般のファンドと不十分であります。当面のゴールはアクティブ・ファンドの中でも上位に位置する事がまずは第一優先だろうと思います。良好な成績を出せば、やはりこの考え方で投資すれば大丈夫だということになる訳です。
  投資判断やプロセスにESGの反映を求める責任投資原則PRIは、当時の国連事務総長から提唱されました。この市場規模は、欧州が500兆円、アメリカが300兆円といわれています。これに対し、少しずつ運用資金が増えているとはいえ日本ではまだ1兆円に届きません。PRIに署名しますと会費を支払ったり毎年レポートを提出したり結構事務手間がかかりますが、最近日本でもある共済組合連合会がこのPRIに署名している運用会社を対象に公募しました。今後こういった動きが広がってくれば、SRIの世界は様変わりになすると思います。投資ユニバースに関心が集中し始め、銘柄間の格差も広がり、投資コンセプトの優位性が顕著になってくると期待しています。

『あすのはね』ファンドの理念・運用哲学(方針)は何でしょう

  『国内の上場株式を主要投資対象としてビジネスを通じて社会的課題に積極的に取り組み、社会に貢献する企業の株式に投資すること』です。社会には課題がたくさんあります。要はその課題解決を実業としている会社であれは、それで売上が立ち、利益が上がります。そして、そのような企業の売り上げが伸びて利益が出れば、会社が存続し、その結果はサステナブルな社会、つまり継続可能な社会形成に繋がっていくというのが基本的なコンセプトです。大昔のSRIの概念的立ち位置と比べ、実践的・現実的な意味合いとなっています。
  片手間でCSR活動をする会社ではなく、本気でやっている企業、極論すればつまりそれがビジネスになっている企業への投資です。しっかりと投資哲学やプロセスに従い銘柄を厳選しますと現在のところ、結果的に中型ブレンドのポートフォリオとなっています。

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<インタビュアー、記事執筆>
  高橋、白熊、桜町