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注目の投資信託

SBIアセットマネジメント株式会社「EXE-i」

  若い世代が注目するEXE-iシリーズについて、SBIアセットの代表取締役社長西川様、商品企画部の小形様、羽鳥様にお話を伺いました。

取材日時 平成29年2月8日
場所 SBIホールディングス株式会社会議室

始めにEXE-iシリーズのファンドを設定した背景や問題意識をお聞かせください。

(西)このファンドは2013年5月に設立しています。投資家目線で、中長期に渡り資産形成ができる「低コスト」かつ「シンプル」なファンドが良いという考えが背景にありました。思い切ってコストを下げたので、当時はインデックスファンドの中でカテゴリーキラー的な存在でしたね。
 金融庁の指導もあって最近では低コストの商品も出てきています。ただ他社の低コストインデックスファンドとの大きな違いは、設定した当時のコストより現在のコストが下がっていることです。なぜ下がっているかと言いますと、EXE-iシリーズは、ETFを組み合わせて作ったファンドだからです。助言会社であるモーニングスター・アセット・マネジメントがEXE-iシリーズの投資対象であるETFの評価を常に行っており、その評価を元に指数(トラッキングエラー)との連動性が高いETFでよりコストの安いETFが出てくれば入れ替える作業をしているからです。これはモーニングスター・アセット・マネジメントから助言を受けている強みだと思います。
 それから、例えばバンガードのETFは、全体の純資産規模が大きくなるとエクスペンスレシオ(ファンドの内部で徴収される運用管理費及びその他費用)が下がる傾向にあります。そうするとそのETFを組み入れているEXE-iシリーズの実質コストも下がります。これは他のインデックスファンドには無い特徴です。

マーケティング部門の活動について、どういったことに注力されているかお聞かせください。

(小)まず言えるのが、スマートフォンでHPを見るユーザが非常に増えていることです。実際に取っている直近のデータにおいても、約3分の1がスマホやタブレットからのアクセスで、年々増えてきています。ですからスマートフォン対応は必須だと考えて、EXE-iに関しては2013年のファンド設立時点からスマートフォンサイトを作っています。
 またFacebookページであったり、Twitterであったり、いわゆるSNSを使った情報発信を積極的に行っています。基本的にWebチャネルで販売していこうというファンドですので、ネット上でのプロモーションには力を入れています。
 加えて20代30代の若年層の方や、今まで投資に馴染みが無かった方にも広く知っていただくためにマンガを使ったマーケティングも行っています。http://www.sbiam.co.jp/EXE-i/fund/comic.html
 昨年11月に久しぶりにマンガを作成した時には、Twitterでお知らせをしたらブロガーさんがリツイートしてくださって一気に拡散され、多くの方に読んでいただくことができました。作れば見てもらえることがわかったので、今後はなるべく定期的に出すようにしたいと思っています。

投信に関するブログ記事なども読まれているのですか?

(小)投資信託について書かれているブロガーさんの記事は定期的に集めています。ファンドを立ち上げた当初は「SBIアセットが低コストのファンド出した!」などと話題にしてくださっていたので、悪い意見も含めブロガーさんの声は大事にしています。例えばEXE-i専用サイトの「よくある質問(FAQ)」はブロガーさんの記事も参考にして作成しました。

情報開示で工夫されていることはありますか?

(小)まだ実施できていないのですが、現状PDFで開示している月次レポートなどの情報をいかにHTML化してスマートフォンで見やすいように表示させることができないかと考えています。スマホからだとPDFデータはアクセスしにくいので、HTML化はこれからの課題だと考えています。
 現在、運用会社が開示するレポートはPDFが主流ですが近い将来はHTMLで見るようになって、PDFは紙で印刷したい人向けのPDFボタンが設置されるというスタイルになるのではないでしょうか。スマホユーザにとって見やすいサイトをつくりたいという観点から、これは早く対応したいと思っています。

競合他社の低コストインデックスファンドについてどのように見ていますか?

(小)投資家の目線から見ると非常に良いことだと思います。仮にリスク・リターンが同じであれば、運用コストが低いほどパフォーマンスが高くなるのは間違いありません。ただ、良いことではあるのですが、それによって当社の商品の競争力が低下していくことは運用会社としての悩みですね。
 EXE-iシリーズでは、コスト以外の差別化として、他のインデックスファンドシリーズで同じカテゴリに属するファンドがないグローバル中小型ファンドを設定しています。パフォーマンスを見てもグローバル中小型の株式は直近非常に良い状況ですので、そういったところをもっとプロモーションしていこうと考えています。 また、投資家の方々には、低コストばかりではなく、商品性の違いにも目を配っていただくと良いかと思います。例えば、EXE-i先進国債券ファンドは、先進国の国債だけではなく、その他に社債、政府・政府機関債、担保付証券などの総合利回りも反映した指数を参考としており、他の先進国債券ファンドと差別化を図っています。

EXE-iは、このファンドをコアファンドとして積み立ててほしいというスタンスですよね?

(小)5種類のファンドがありますので組み合わせ次第でリスクを変えていくことができます。投資家の方が自由に組み合わせて持っていただくのが良いと思います。 (羽)理想的な投資スタンスは短期売買ではなく積み立てやDCですね。

他のインデックスファンドでは、シリーズ内のファンドを組み合わせてバランス型の商品を販売していますが、EXE-iシリーズも検討されていますか?

(西)検討はしています。DCがこれから浸透して、投資家のすそ野もようやく広がってくるでしょう。米国の場合DCのけん引力はデフォルトファンドがいわゆる定番メニューです。バランス型のターゲットイヤー型ファンドが中心になっているのですが、要は投資の初心者にとってこれさえ買えばあとは放っておいても良いファンドの方が安心して運用できますよね。もちろん5種類のファンドを組み合わせればバランス型になりますが、一つ定番商品になるようなものは検討しています。

注目してほしいファンドデータはありますか?

(羽)資金フローについて、ゆるやかにシリーズ全体の額は積み上がってきておりまして、2017年1月末時点で168億円位になっています。積み立てやDCでの継続した流入が非常に大きく、この流れは続いていくと思います。

ところで、投資信託で資産形成をするメリットはなんでしょうか?

(羽)月並みな答えになりますが、メリットは個人投資家の方が簡単に投資できない資産クラスにも投資できるという点、また少額の資金で分散投資を行える、リスク分散ができるという点ですね。情報開示もされていますから、投資の器としても最適な商品ですね。 一方で直接株式を購入するのと違い高いものだと購入時の手数料が3%かかるものもありますし、保有するにあたって信託報酬が差し引かれます。プロが運用することでコストがかかることが悪いわけではありませんが、コストがパフォーマンスに影響することは、デメリットだと思います。

投資信託で資産形成することにメリットがあるにもかかわらず、アメリカと比べ日本ではあまりポピュラーでない要因は何でしょうか?

(羽)やはり日本の株式市場が不振続きであったことですね。バブル崩壊後の失われた20年、デフレの中で投資に対するマインドも金融リテラシーも低下したのではないかと思っています。またアメリカと異なるのは、中立的な立場からアドバイスができるFAやIFAのような仕組みが遅れていることですね。その中で販売会社の短期売買による手数料稼ぎや、パフォーマンスは二の次で分配金を出す仕組みが広まったことが、投資信託の市場全体をゆがめてしまったとも思います。ようやく金融庁が是正を求めておりますので、これから転換期を迎えるのではないでしょうか。

金融庁が推進している話は今後の投信残高を伸ばすものになり得る可能性はありますか?

(羽)「そうです」と答えられるものではありませんが、弊社もそうですし、証券会社や銀行といった各金融機関がセミナーなど投資に対する啓もう活動を積極的に行っていますので、少しずつではありますが業界全体としての発展は見込まれると考えています。
 対面からネット販売へのシフトが予想されていますし、個人型DCも対象が広がりましたから、その積み立てを通じてすそ野の広がりは加速していくと思います。ですから運用会社としても、より質の高い商品を作ってタイムリーな情報を発信していく努力が求められますね。

投資信託に馴染みが無い人が購入する場合の注意点はありますか?

(羽)購入にあたってのリスクは必ずありますし、どのくらい運用報酬がかかるのかも把握しておく必要があります。

最後にいいファンドとは何でしょうか?また第三者投信評価機関に期待することをお聞かせください。

(西)いいファンドの条件として1つはパフォーマンス。中長期に渡って投資の効率性(リターン・リスク比)に優れているか、あるいは、リターンがそのファンドが参考とする市場に追随しているかどうか。もちろんマイナスの時期もあると思いますが、どのマーケットも中長期で見るとプラスのリターンをあげています。
 もう一つは情報提供。投資対象に関わること、投資環境、予期しない出来事が起きたときに、その投資対象にどう影響するかを投資家にわかりやすく伝えることができるか。定期的なレポートもさることながら、的確でタイムリーな情報提供ができることも金融商品の命題だと思います。
 このパフォーマンスと情報提供の2つが伴って初めていいファンドと言えると考えますね。そういう意味で評価機関のみなさんには、中長期で持つにはどの投信がふさわしいかというヒントや、参考情報を的確に伝えていただきたいと思います。

<インタビュアー、記事執筆、写真撮影>
  高橋