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スパークス・アセット・マネジメント「スパークス・少数精鋭・日本株ファンド」

  スパークス・アセット・マネジメント株式会社 鈴木 剛 氏に、インタビューを行いました。

取材日時 平成25年10月29日
場所 スパークス・アセット・マネジメント株式会社 本社

これまでの仕事の内容や新規設定のファンドの背景などおきかせください。

 当社は、1989年、日本の中小型株の専門運用会社として創業しました。創業当時から、「ボトムアップ・リサーチ」を標榜しこれまでその姿勢を貫いてきました。相場や経済環境の変化に応じて新しい戦略を株式という枠の中で創造して参りました。
 また、実物資産関連への投資ということでは、不動産と再生可能エネルギーの分野にも投資しています。具体的には、昨年、東京都様の官民連携インフラファンドの立ち上げに際して、その運営事業者2社のうちの1社として当社が選ばれました。出資額合計約90億円でスタートし2013年11月、投資案件のうち第一号の発電所が稼働しはじめました。当社は、創業以来、株式投資を中心に取り組んできましたが、実物資産関連投資においては、まず、投資アイデア、投資案件ありきで利回りを提供できる商品開発を行いました。
 株式運用についての取り組みは、2007年ごろには、グループの運用資産残高が約2兆円ぐらいまで成長しました。そのうち 日本株式運用が、1兆6000億円ぐらいだったのですが、その後市場のシビアな下落を受け2000億円程度まで減少しました。しかし、この苦境の中でも、コアビジネスは株式運用であり、また中小型株式運用である、との思いを持ち続け、中小型株式運用のチームを強化し続けました。運用資産残高が減ったものについても、運用を止めてしまうのではなく、過去の運用実績を活かして、今後、将来を見据えた上で事業展開していかなければならない、という考えのもと、継続してまいりました。こうしたスタンスが、市場が厳しい環境の中でも、それぞれの戦略が良好なパフォーマンスを出し続けている結果につながってきたのだと思います。昨年末からのマーケットからの追い風を受けただけではなく、数年間の積み重ねが徐々に効果として出始め、それが評価され始めたというのが、現状ではないかと思っています。

マーケティング本部としての仕事内容をお聞かせください。

 日本の投資信託は、どうしても販売会社様に過度に依存してしまうというスタイルが抜けきれないと思います。リーマンショック以降の厳しい環境の中、マーケティング部門は、スリム化をはかりました。多くの人数をかけられないなかで、どのようにマーケティングしていこうかと模索していましたが、過去に立ち上げたファンドのパフォーマンスが他よりも早い段階で良好な結果を出し始め、販売会社様、機関投資家様、また、いくつかの評価機関から一定の評価を頂けるようになってきました。この様な中、個人投資家に向けての情報発信として、例えばFacebookが挙げられます。スパークスの活動や投資の考え方を特に投資をほとんど知らない一般の方々に知って頂きたいということで、Facebookをはじめました。あとは、今年からモーニングスター様とタイアップして、当社の社長である阿部が「日本株はどうなるのか」、「そもそも投資とは」というようなセミナーを、開催させて頂いています。同じくモーニングスター様とのタイアップで、各運用者の投資の考え方を動画で配信しています。現在、「TEAM SPARX」ということで現在4本の動画を配信しています。弊社のホームページでもこうしたコンテンツを、継続的に発信をして行こうと考えています。
 弊社のホームページも、よりビジュアルに訴える形に変更していかなければならないと考えております。また、販売会社様の全国のご支店で一般投資家様向けのセミナーも積極的に開催させていただきたいと考えております。セミナーでお話した内容をホームページでも配信してゆくことで、最終投資家様からの認知度を高めていきたいと考えています。

貴社の非常に珍しいところは上場会社として運営されているところが他の運用会社と違うところだと思いますが、そこでの他の運用会社との差別化はあるのでしょうか。

 運用会社としてというと、上場会社であるスパークス・グループ株式会社における四半期ごとのアナリストミーティングやプレスリリースの部分について、運用会社の内容をよりわかりやすく発信するよう心がけるようにしています。ちょっとしたイベントであってもリリースをしながら「スパークスが、いろんなことをやっていますよ。」ということをより多く発信していく様に取り組んでいます。一方、上場していない企業ですと、情報を得るには自分から情報を積極的に取りに行く必要があります。株主様、受益者様にタイムリーにわかりやすい情報を提供することによって、イメージの向上、認知度の向上につなげていければと考えています。

ディスクローズでいうと、上場会社は大変だと思いますがそれがファンド運営に活かされていると思いますか、ファンドの開示情報の意識が他より高いといった話はございますか。

 無意識のうちにそうなっていますし、あとは最近いくつか運用会社の不祥事などもありましたので、上場会社として、運用会社の運用資産残高等をしっかりと開示していることが、一般の投資家様にとっても安心して頂ける材料になると思います。すごくシンプルなビジネスで、小難しいこともやっていませんので、できる限りオープンにしていこうという意識はありますね。

「少数精鋭・日本株ファンド」。このファンドを改めて設定しようとした背景やこれからの問題意識などはございますか。

 名前は「少数精鋭」ですが、当社としては「集中投資戦略」ということで1999年から運用している戦略です。マーケットが良くなったから注目を集めるために設定しましたということではなく、しっかりとした長期の実績があります。これまでは、当戦略はどちらかというと海外と国内の機関投資家様を中心に提供してまいりました。中小型で、しかも集中型ということで20~30銘柄程度に集中的に投資する戦略です。一般的な「分散投資」という概念からいうと「真逆」をいっています。ただ、市場が好転して個人投資家様の株に対する見る目が変わってきており、同時に、株に対する知識レベルもかなり高くなってきていますので、こうした投資戦略を個人投資家の皆様にもご理解頂けるものと考えています。2012年末の政権交代から2013年の春先まで、市場は一本調子で上がってきて、一旦全体感の回復を見たと思われますので、今後は、個別銘柄間で優劣が出てくることが想定されます。これは、銘柄を絞り込むという当戦略にとっては大きな後押しになる環境になってくると期待しています。

これはアクティブとパッシブの分け方でいうと。

 「アクティブ」運用をより志向した戦略と思います。考え方としては、日経平均、TOPIXなど市場に勝つというのではなく、選んだ銘柄で大きくパフォーマンスを上げることを追求していくというものです。もちろん、今日投資して明日パフォーマンスが挙がるということではありません。徹底的に調査したことを裏付けにして、腰を据えて投資し、中長期的にパフォーマンスを上げることを追求していくという考え方となります。

目論見書を拝見した時に、ある意味NISA向けの商品かと思いましたが。

 おそらく販売会社様としてもNISAにマッチした商品と考えて頂いていると思います。株式や株式投資信託というと、上がったら売却してしまうケースが多く見られますが、おそらくこれからの日本の経済や株式の行方ということでいうと、じっくりと保有していただき長期上昇トレンドを享受することができる環境になる可能性が高いと考えておりますので、NISAを機に新たに投資を考えられる個人投資家様向けの商品としてマッチしていると思います。

話は変わって、安倍政権になり東京五輪も決まって雰囲気が変わりました。日本経済の今後の展望とアベノミクスについてどうお考えでしょうか。

 日本株の展望については、日経平均株価のチャートを見ると、1989年のバブルをピークにずっと低迷してきました。昨年の11月から反転してきましたが、この反転は20数年にわたり続いた日本の低迷および直近続いていた超デフレというところのネガティブなサイクルからノーマルなサイクルに大転換する時がきたと考えています。「相場の大転換が今まさに来ている。」と認識しています。日本企業が長期低迷した一番の要因は、バブルが崩壊して資産の価値が大幅に低下したことです。不動産と株を合わせるとピークから見て、約1,600兆円の資産が、失われました。これはGDPの3倍もの資産が日本から無くなったということを意味します。しかし、一方で、借金は残ってしまいました。逆に言えば、この20年間は借金を返すのに精一杯だったともいえます。借金は、94~95年がピークになっていますが、そこから急激に減少し、2005、6年には約200兆円返済しています。その意味で、2005、6年には、バブルの負の遺産はなくなり、借金は、ほぼ適正な水準になっていていたといえます。
 一方、2009、10年からは、現預金が増え始め、現預金が貯まるような状況になっていたのです。つまり、日本の企業としては準備万端の状態が出来ていたということです。ただ残念ながら、大震災や原発の問題、また欧州金融危機などで回復のきっかけがつかめなかったのです。そして、円高です。せっかく頑張って準備万端になっていたにもかかわらず、完全に頭打ちになってしまった。転換点と申し上げているのは、アベノミクスは、シンボリックに為替を動かすことが出来た。それがきっかけで準備万端になっていた日本企業が見直された。今回の浮上は単に為替が動いたことで、まず企業の実力が正しく評価されただけだと、見ています。今後は、短期的というよりも長期上昇相場へのさらなる転換へつながっていくことを期待しています。例えば、2020年のオリンピックに向けては、実需が発生してくると考えています。やらなければならないことが明確になり、投資も喚起されると期待しています。加えて、インフラ以外の複合的なもの、例えば、心理的な側面も含めて後押しになることが、非常に大きなことだと思います。投資家様には、短期的な一喜一憂ではなく長い目で見て、日本は今このポジション、つまりさらなる転換点に立っているということを理解し、株式を資産運用の中心として考えていく、というのが我々の発信したいメッセージです。

投信マーケティングは個人投資家様と販社様、どっち向きでやっていくのかが難しいところだと感じますが。

 どちらかだけに向いてしまうと、偏ってしまいます。基本は販売会社様と一緒にマーケティングを考えて実行していくわけですが、ただ、最終投資家様にどのようにアプローチするかということを見越して動かないと、長期的に支持してもらえるファンは、なかなかつかないと考えています。その意味で、まずは販社様と当社で考え方を共有することが大切です。今後は、「新商品を売り出しましょう。」というアプローチから「既存のファンドを積み上げていきましょう。」というアプローチを出来るだけやろうと考えています。

ファンドの数というよりはファンドの純資産を増やすということでしょうか。

 積み上げた運用実績をもっと上手く活用して、濃いメッセージをお伝えしていきたいです。今回の「少数精鋭・日本株ファンド」は、日本株の公募投信としては、本当に久しぶりの設定です。8月末の設定だったのですが、おかげさまで販売会社様には設定日以降も積極的にマーケティングしていただき、順調に残高が増えています。新発ファンドとして当初設定のみ積極的に販売するというスタイルではなく、中長期で腰を据えたマーケティングをして頂いています。対面販売とネット販売とも、中長期スタンスでのマーケティング活動をしていただいています。

マーケティングに関して他社動向で気になるところはありますか。

 他社様でも最終投資家への投資教育につながる書籍を出版されたりしている運用会社がありますが、そうした活動は大変良い取り組みであり見習うべきところと考えています。過去、当社でも社長の阿部がいくつかの書籍を出していますが、今後は、より個人を意識した個人の資産形成に関する内容のものを出してもいいと考えています。

セミナーを開くというのはコミュニティを作るというのが目的なのでしょうか。

 今弊社でセミナーというと、販売会社様のどちらかの支店を経由して、個人のお客様にお集まりいただく形式です。セールスの方が表現しきれないところを、直接お伝えするのが目的です。そして、もっと力を入れてやらないといけないと思っているのは、弊社のファンを作る、コミュニティを作る、ネットワークを広げる、ということだと思います。そういうことにもっと力を入れてやっていかなければならないと考えています。

NISAに対して貴社は特別な取り組みをされていますか。

 特別なことはしていません。もともと長期投資が基本的な考え方なので、それをいかにご理解いただくかという方が、新たにNISA向け商品を立ち上げるよりも必要な活動だと思います。

「スパークス少数精鋭・日本株ファンド」について伺います。最も特徴的な理念や運用哲学等があればお聞かせください。

 特徴的な理念、哲学というと「徹底した調査から銘柄を選別し、集中投資を行う。」ということです。徹底した調査を行うときに重要なのは「企業を良く知って、価値を明確に定義出来て、株価が割安なこと」これが、徹底した調査とその判断ということですね。

調査というのは貴社のアナリストの方が直接訪問されてということで、まさにボトムアップですね。

 訪問調査をしていない銘柄には投資しません。調査を徹底して判断しているというのは、定義した価値に対して割安であることを明確に把握することです。戦略は、「逆張り」ですね。わかりやすく言えば多くの人が見ていなかったり、投資に向かないと思っているような企業をしっかりと調査して、実は「そうではない」という確信が持てるかどうかなんですね。それは勇気がいるし、勇気を持つためにはしっかりとした調査を行って裏づけることが必要ということですね。
 市場参加者が正しいと思っていることを、調査の中で違うものを見つけることができれば、多くの人が気づく前に投資が出来るため、割安なときに投資ができるというのがポイントです。人の心情はダメとなったらダメになっていき、良いとなったら良くなっていく。ただし、皆さんがダメと思って売られている銘柄であれば、その時点から下がる幅と上がる幅との確率は正規分布ではないと思っています。つまり、多くの投資家がダメだと思っている時は、リスクとリターンがいびつな形になっていることが多いのです。それが、この戦略の特徴的な着眼点だと思っています。

運用哲学を数字で表すためのファンドデータがあれば確認したいのですが。

 例えば銘柄数でいうと、29銘柄でフルインベストメントしています。保有割合は、トップ5だけで20数%占めていますので、かなり集中して投資していることが見ていただけると思います。今後も現状から急に銘柄数が増えるというようなことはありません。上位保有銘柄は、月報で開示しています。

売買回転率はどうですか。

 基本的には低いです。年間を通して普通の市場環境であれば、売買回転率は5割もないと思います。ただ、今年は、同じコンセプトの機関投資家様向けのファンドでは株価の上昇に伴い、当初想定していた株価水準に達した銘柄が出て来ました。この戦略では、実態価値を測っているので、想定した価格にタッチしたら売却します。この様な理由で、今年の売買回転率は、少し上がっています。いずれにしても、中長期スタンスが基本で、実態価値が顕在化するのに1年から3年かかっても投資する価値があるという考え方で投資をしていますので、短期的な株価動向はあまり気にしていません。

リスクもそれなりに考えて頂かないといけないですよね。

 一般的なリスクであるブレというとであれば、標準偏差で20%くらいです。しかし、我々の本来考えているリスクは、損することであってブレではないというのが基本的な考え方です。絶対水準をどう上げるか。絶対水準を上げられないことが、最大のリスクだというようなメンタリティで投資しています。

ライバルファンドというものは。

 世の中に、公募投信で中小型株の集中型はほとんどありません。他社ファンドで40-50銘柄程度でやっていらっしゃるものもありますが、大型株が中心と思われます。また、多くの中小型株ファンドは、主に新興市場を投資対象としたファンドが多く、コンセプトが全く違うものです。当戦略は、新興市場が上がるような時に単純に上がっていくものではないといったリターン特性があります。社内には、大型株で10数銘柄にしか投資しないようなファンドもあります。ファンド・マネージャーは、もしかしたら社内同士で意識しているかもしれないですね。どちらも選び抜いた銘柄で勝負して、お互いに良好なパフォーマンスを上げています。

答えづらいと思いますが、合わせて保有して望ましいファンドは。

 教科書的に言えば、日本株じゃない資産ですが、株式ファンドの中でもこれを持つというと、一般的なアクティブは持つ意味が薄れてしまうと思いますので、本来はインデックスだけで十分だと思います。コアと究極的なサテライトを一緒にもつことが出来ますので、個人的には、その中間にあるようなアクティブは持つ必要はないと考えています。

このファンドは出来るだけサテライトとして、持ってほしいということでしょうか。

 そうなると思います。サテライトの比率は個人投資家様のリスク許容度によりますが、全くサテライトを持たないと投資していても面白みがないですよね。サテライトとして、エッジが効いたファンドを持つというのがいいと思います。

どういった投資資産をもっている方に向いていますか。

 先ずは、株を知っている人です。株を知っている人というのは、例えば新興市場にあるような銘柄を個人で売買されている方です。そういう方は、個別株の売買を楽しんでおられる方が多いと思いますので、その楽しみは取っておいて頂いた方が良いと思います。一方、そのような方は、当ファンドで投資しているような銘柄については、あまり注目していない傾向があります。資産の一部をご自身が売買される株と異なる特徴をもった株として、併せ持って頂くのには良いファンドと思っています。あと、全く投資信託を知らないという方には、先ほど申し上げましたとおり、インデックスの比重を高めにして、サテライトにこのファンドを入れて頂くのもひとつの選択肢と思っています。インデックスばかり持っていると、せっかく投資信託に預けているのに、面白みが半減してしまいますよね。ただし、何でもかんでも持つとコストがかかってきます。コアとサテライトのような形で、少しでも明確に分けられるのであれば初心者の方でもそういう持ち方が良いのではないかと思います。

「少数精鋭」で、だんだん純資産が増えたときに投資先がなくなってしまうのではないでしょうか。

 現在、当初募集が300億円上限で追加募集が600億円としています。このファンドについては、あまり募集金額を上げることは考えていません。600億円近くなってきたら販売頂いている販売会社様にはストップしていただく予定です。集中投資という戦略自体は、お客様の属性によって異なります。例えば機関投資家様向けのファンドのように、解約するのに2カ月程度の余裕をいただける場合は、募集金額を引き上げることが出来ます。しかし、公募投信で日々設定解約があるとそうはいきません。自分たちの運用に制約を設けないようにある程度、キャパシティを制限しようというのが、中長期で優れたリターンを出し続けるには必要だと考えています。

キャッシュ率はどうですか。

 株式比率は50%以上となっています。ですから、コンセプト的には、市場が上昇して投資する価値のある銘柄がなくなったら、キャッシュで保有することもあるという考え方です。

リーマンショックなどの時にはキャッシュ率は上がるのでしょうか。

 それは、逆かもしれません。例えば、日経平均株価が3万円になったら、割安な投資先が見つかりづらくなるためにキャッシュが増えるかもしれません。一方、リーマンショックが起きたような局面では、皆さんが投資しないのでお金が集まりづらいのですが、ファンド運用者は買うことができるであれば買いたいと思うと思います。危機的局面では、価値がある銘柄も下落するので、恐らく「逆図」なんじゃないかなと思います。基本コンセプトは、買うべきものがなければ買わないということです。これがキャッシュの考え方と思います。

いいファンドとはどういうファンドかお聞かせください。

 一つには、株式で運用している場合には、どこがゴールかが明確であること。ゴールが明確とは何かというと結局はパフォーマンスが上がるということですよね。株式ファンドに期待されることは、インフレの時にしっかりとリターンがあって、インフレを上回って上昇していくということです。我々のファンド・マネージャーがよく言いますが、「インフレを上回って、長期的に市場を上回って、結果として絶対収益があること」。この様なしっかりとした目的を持ち、その軸をブラさないで運用を長期的にやっていけるファンドが優れたファンドといえます。すごく定性的ですが、ファンド・マネージャーがいっていることがずっと変わらないファンドは、特にアメリカなんかで見ていると、リターンが上がっているし、保有している銘柄の特性も大きくブレない。ファンドビジネスなので残高は動きますが、長期で見据えて継続的に運用していくことが非常に重要じゃないかなと思います。その意味では、そうした運用を経営としてしっかりサポートしている運用会社のファンドが良いファンドだと思います。

絶対収益ということは、あまり投資信託の世界では言わないですよね。

 今、投資家の投資行動が短期化していますが、我々は短期で絶対収益をあげることができるとは思っていません。ただ、長期で保有して一度も絶対収益が出なかったというのも、今までの日本の投資信託では多かったと思います。おそらく、ベンチマークに対して勝っているからいい、というようなメンタリティで運用してしまっていることも影響しているでしょう。しかし、結局「儲ける」というメンタリティがないと絶対収益に到達しないのです。当社は独立系でずっとやってきましたので、そうでないと企業業績を上げることができなかったということもあり、このメンタリティはすごく強いと思います。 海外の長期で続いているファンドは、皆、根底にはこのメンタリティがあるのではないかなと思います。それが良いファンドといえるでしょう。結局儲けるということは、ブレずに信じることをやり続けることなので、究極的にはこのメンタリティに集約されます。運用者でもその様に言いきれないのは、結局サラリーマンで、自己責任になっていないのだと思います。その点、当社の運用者は徹底していると思います。
貴重なお話有難うございました。

<インタビュアー、記事執筆、写真撮影>
  高橋、川嶋、山中、大谷