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イーストスプリング・インベストメンツ「イーストスプリング・フィリピン株式オープン」

  イーストスプリング 投信営業部長 坂本 昌隆 氏に、インタビューを行いました。

取材日時 平成25年8月22日
場所 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社
熱帯魚の水槽で区切られた会議室にて

貴社の現在の仕事や活動概要等をお聞かせください。

  まず、弊社のご紹介をさせていただきます。弊社の親会社は160年以上の歴史を有する英国プルーデンシャル社で、英国、米国、アジアなど世界各国で生命保険事業、資産運用事業をはじめとした金融サービスを提供しています。弊社グループはそのアジアにおける資産運用部門で、約9兆円(2013年6月末現在)を運用するアジア最大級の資産運用会社です。アジアにおける個人資産運用ランキングでは2年連続で1位※1を獲得、また東南アジア地域で最も優れた運用会社※2に選ばれました。グループ会社には欧州で最大級の資産運用会社M&G社、米国のPPM America社などがあり、拠点との連携によりアジアはもちろん世界各国に投資する商品を世界中の投資家にご提供できるケーパビリティーを有しています。
  日本では以前PCAアセット・マネジメントという社名で事業を展開していましたが、2012年2月のグループの社名変更に伴いイーストスプリング・インベストメンツに変更しました。新しい社名は「イースト」=「東(アジア)」と、「スプリング」=「源泉、起源」を合わせたもので、これは弊社がアジアで90年もの長い歴史を有し、アジアを中心に13のマーケットに拠点を有するアジア投資のエキスパートであることに由来しています。新社名のもとグループ一丸となって、強みであるアジアの投資信託を中心に世界中の投資家にご提供していくことを目指しています。実際、社名変更後、米国、ヨーロッパに拠点を開設し、今後も順次拡大していく予定です。
  日本では1999年に設立以来、銀行、証券会社といった販売会社を通じて、日本の一般投資家に投資信託を提供しています。日本最古かつ最大級のインド株式オープン、日本最大級のインドネシア株式オープン、フィリピン株式オープン、タイ株式オープンといったファンドを幅広く取り揃えています。弊社ファンドはアジア・パシフィック株式分野では25%を超える圧倒的なシェアを占め、パフォーマンスについても数多くの賞を受賞するなど外部の評価機関から高い評価をいただいています。
  日本オフィスでは、ファンドの販路拡大、販売会社の営業サポート、一般投資家の皆様への情報提供といった営業拠点としての活動に注力しています。本年は、営業活動、支援を充実させることを目的に人員を大幅に増やし、営業体制を強化しました。また機関投資家営業部を立ち上げ、パフォーマンスが良い日本株式戦略をはじめ、弊社の強みであるアジアの投資商品を、より高いリターンを求める日本の機関投資家の皆様にも提供していきたいと考えています。

※1 ” Asia Asset Management ”誌の年次調査、2013年6月末現在、日本、オーストラリア、
        ニュージーランドを除くアジア地域の個人資産運用額。
※2 ” The Asset ”誌「Triple A Investor and Fund Management Awards 2013」

アジア投資を中心としたファンドを設定する背景や問題意識などはありますか。

  今後、高い成長が期待される新興国の中でも、特に注目されているのはアジアの国々です。アジア投資のエキスパートとして、こういった地域にいち早く注目し、高いリターンが期待できる投資信託商品を投資家の皆様に提供していくことが大切だと考えています。アジア株式はもちろん債券や、不動産も見逃せない投資先として注目しており、特にアジア不動産、REITは今後非常に期待できる投資先だと考えています。
  アジア地域の経済成長については、出張で訪れたアジア各国のショッピングセンターや不動産展示場で、中間層の大幅な拡大により活発化する消費活動を目の当たりにしました。2015年のASEAN経済共同体の実現により、成長著しいASEANの台頭もアジア投資の大きな魅力となると考えていいます。

一般的な投資信託に関して伺います。投資信託で資産形成をするメリットやデメリットなどお聞かせください。

  教科書的な回答ではありますが、プロに運用を任せられて、個人ではアクセスしづらい国や地域にも投資できるという点がメリットです。また分散投資や少額投資も可能というところもメリットだと思います。
  デメリットは特に思いつきません。

現状の投資信託の問題点をあげるとすれば何でしょうか?特に投資信託がアメリカに比べてポビュラーでない要因等。

  日本ではそもそも投資が活発でなかったこと、また投資教育が十分でないことが要因のひとつだと思います。日本では長期間にわたって経済が低迷していたこと、また充実した公的年金制度があることなどから、投資よりも貯蓄が重視されてきました。しかし、昨今年金制度の崩壊が問題視されるようになり、老後に向けた資産形成の必要性を感じ、投資に興味を持つ人が増えています。今後、個人投資家による投資は一層活性化し、またそれに伴い投資教育も活発になっていくでしょう。投資信託の良さは日本の投資家の皆様にまだ十分ご理解いただけていないと感じています。投資教育が進むことにより、資産形成に有効な投資信託が認識され、今後一層注目されていくと考えています。

今後10年で投資信託はどうなっていくと思いますか?

  IT技術の進歩により、インターネットはより一層投資ツールとして活用されていくと思います。インターネットを通じて積極的に投資情報を入手し、自ら投資商品を選んでいく一般投資家が増え、さらに投資が活発になっていくでしょう。一方、運用会社はウェブでの情報提供、コンテンツの充実はもちろん、低手数料の導入などのウェブ向けサービスの導入を検討していく必要がでてくると思います。

今後の投信マーケティング戦略の潮流について伺います。ネット世代やケータイ世代に訴求するためどのような取り組みを行っていますか?

  インターネットは今後インフロー拡大が期待できる販売チャネルだと思います。ネット世代、ケータイ世代である若い世代の投資信託利用も拡大しつつあります。インターネットはこうした若い世代向けの販売チャネルとしてもより重要になっていくと考えています。弊社でも情報やコンテンツの充実に注力しており、動画を活用した情報提供など様々な取り組みを行っています。

NISAに対する取り組みをお聞かせください。

  NISAは投資初心者向けの制度との考えから、NISAに向けに低リスク、低リターンの商品が設定されているようですが、実際にはNISAこそ、よりリターンの高い商品でご利用いただいた方がメリットが大きいと考えています。弊社では、非課税メリットをより享受できる期待リターンの高い資産クラスであるアジアの株式商品を、販売会社のご協力のもと引き続き提供していきます。

イーストスプリング・フィリピン株式オープンについて伺います。最も特徴的な理念や運用方針等があればお聞かせください。

  本ファンドに限らず当社の運用方針はバリュエーション重視のアクティブ運用です。マクロももちろん大事ですが、企業のファンダメンタルズをきちんと見て、バリュエーションを見ながら投資していくというのがどのファンドにも共通する弊社の投資哲学です。アジア各国へのアクセスがよいシンガポールに運用拠点を置き、豊富な運用経験を持つ投資チームが、ボトムアップアプローチによる企業分析を実施し、中長期で高いリターン享受できる銘柄を選定していきます。

投資先であるフィリピンの魅力を教えてください。

  フィリピンは今後の高い経済成長が期待できる魅力的な市場だと考えています。平均年齢は23歳と非常に若く、若年層に厚みを持つ人口構成に特徴があり、また米国統治下にあったことから英語が堪能です。安い人件費と高い英語力に注目した世界中の企業からコールセンター業務やITのサポートセンター業務を請け負うBPO(Business Process Outsourcing)ビジネスが非常に大きな伸びを見せており、コールセンター業務ではいまや世界シェアNo1を占めるまでに成長しました。今後、こういった国内産業の発展に伴う中間所得者層の増加により、内需拡大が期待できます。

  また、OFW(Overseas Filipino Workers )と呼ばれるフィリピン人海外就労者もフィリピン独自の成長ドライバーです。海外のフィリピン人労働者は、看護婦、エンジニア、船員といった専門的な職業に従事しており、世界各国で働くOFWからの送金は国内経済や世界経済の影響を受けることなく増え続けています。2012年のOFWの本国への送金額は名目GDPの約1割を占め、国際収支の安定化に寄与すると同時に、個人消費の下支え要因の一つとなっています。国家でも海外就労を推進しており、空港にはOFW専用の入出国レーンがあるほどです。
  OFWとBPOの2つの成長の柱に加えて、安定したアキノ政権の下でインフラ整備が進められるなど、政治の面からも経済成長が後押しされています。
  足元の乱高下はあるかもしれませんが、フィリピンのファンダメンタルズは底堅く、今後の中長期で高い経済成長が期待できる投資先だと考えています。

あわせて保有するのが望ましいその他のファンドの特徴やその他資産はありますか?

  お客様の投資目的やリスク許容度によりますが、高いリターンを求めるのであれば最も高い経済成長が期待されるアジアの他の国、例えばインドネシア、タイなどへの投資をお勧めしたいと思います。

お客様の理想的な投資スタンスはありますか?

  やはり、中長期の投資や分散投資は投資の基本としてお勧めしています。あとはどの位のリスクを取れるか、どのような資金を運用しているのか、どのような目的で運用しているのかということにより違ってくると思います。また定期的にポートフォリオを見直し、市場環境に応じてリバランスを行うことも大切です。

いいファンドとは何か?また第三者機関に期待することをお聞かせください。

  例えばアクティブ・ファンドであれば安定的に市場を上回るリターンを提供しているなど、投資家の皆様それぞれの目的達成に向けて選ばれた商品が、目標とするパフォーマンスを達成していることが「いいファンド」の条件の一つだと思います。
  第三者機関には客観的にパフォーマンスを一般投資家にも分かりやすく紹介して頂くと同時に、公正な立場から投資判断に役立つ情報提供を期待しています。投資家の方が売れ筋ランキングに左右されずそれぞれの投資目的にあった投資判断を行うにあたって役立つ情報提供をしてほしいと思います。
  先ほども投資信託が浸透しない理由の一つとして投資教育がまだこれからだという話しもありましたが、投資教育という観点からの情報提供にも期待しています。

<インタビュアー、記事執筆、写真撮影>
  高橋、川嶋