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三菱UFJ国際投信「トレンド・アロケーション・オープン」-Part1

  投資信託の裾野を広げようと活動されている三菱UFJ国際投信株式会社のプロダクト・マーケティング部 商品戦略グループ・リーダー 吉田研一氏にお話を伺いました。 商品概要ページはこちら >>

取材日時  平成24年6月16日  14:00~16:00
場所        三菱UFJ国際投信株式会社 皇居が見える会議室にて

プロダクト・マーケティング部はどのような活動をされるのですか。

  プロダクト・マーケティング部では商品軸を中心にしたビジネス展開を目指しています。「お客様に必要な運用商品は何か」、「これからの投資信託の販売はこうなっていくのではないか」等、求められているニーズに対して投資信託の販売会社に問題解決型の提案業務を行なっています。実際に今回のトレンド・アロケーション・オープンは「資産形成層のお客様に安心して持っていただくには、どういう商品が良いのか?」というコンセプトを商品軸として開発を進め設定に至りました。

ではそのトレンド・アロケーション・オープンを設定するにあたり、どれくらいの準備期間が必要でしたか。

  最終的に1年以上かかりました。

  当社は世界各国の資産運用会社をビジネスパートナーとして、国内の投資家向けに商品を提供しています。その中の一つにアリアンツ・グローバル・インベスターズから紹介頂いた運用戦略がありました。元々はこの運用戦略は「資産形成層向け商品」というよりも年金基金向けのリスク管理型マルチ・アセットという新しいカテゴリーの運用戦略として注目が集まっていたのですが、「この運用戦略をどう考えていくのか?」と突き詰めて行く過程で、「これは資産形成層のお客様に安心して持っていただける商品である」、「これは資産形成層向けのプロダクト・レンジとして必要なのではないか?」と思い至りました。そこから、「どのようなマーケティングをすればお客様に納得してもらえるのか?」等を一つ一つ煮詰めて商品化しました。

  また、現在の投信業界はリタイアメント層のお客様に向けた商品が中心ですので、その対極にあたる資産形成層を対象とする商品組成に対して社内でも慎重な意見がありました。そこで「本当にできるのか?」、「どういう意図をもって進めるのか?」等を慎重に議論して来ました。それが準備時間の長さに反映しています。

このファンドを入れることで、御社のファンドのラインナップの購入層の裾野を広げる意図があったということでしょうか?

  「投信ビジネスが今の状況で本当に良いのか?」については常日頃考えています。アメリカでは若い人たちが401Kプラン(確定拠出年金)等の仕組みを通じて株式等に投資することで資産形成がなされ、投信ビジネスが拡大した経緯があります。
  今の日本の投信ビジネスで、若い人をターゲットとした金融商品の提供はまだまだ発展途上段階であると思います。でも本当は、若いうちからの資産運用が求められる時代になっているとも思います。老後のみならず中長期的なお金の必要性を考える必要がますます大きくなっているからです。どのような商品を提供すればお客様の裾野を広げられるのか、どうすればもっと資産運用の便利さを感じてもらえるだろう等の課題に対し、商品軸・サービスとしての品質を検討して生まれたのがトレンド・アロケーション・オープンです。

続いて投信マーケティングについてお伺いしたいのですが、今後投資信託のマーケティングはどうなって行くとお考えですか?

  1990年代、投信の運用会社が販売も行う「直接販売」が展開された時期がありました。当時の直販は、個人投資家へのアプローチも難しかったことから、機関投資家や法人が中心でした。その後、1998年には銀行の窓口での投資信託の販売が開始され、個人投資家への間口が広がりました。
  当社では、銀行での販売に向けて、「グローバル・ソブリン・オープン」という商品を開発しました。そして、当初の銀行での販売においては、有価商品への投資に慣れていない銀行員の方々に向けて、投資信託の仕組みや価格変動の要因、投資環境の説明などを積極的に行う戦略をとりました。それがある程度認められるようになって来ました。
  同じことを他社が追随して業界のレベルがある程度上がってきたと思います。その分当社はより精度が高く密度の濃い情報提供を行うことで差別化を図ることが必要になってきていますが、現在の投信販売のビジネス・モデルを築いたのではないかと思っています。

  また、10年以上前はインターネットを通じて投信を買う事はとてもめずらしいことでした。ところが投信のマーケティングツールとしてもインターネットの存在は大きくなりました。投資信託の販売の方法も少しずつ大きなうねりに飲まれ始めています。インターネットの力を「どうやって使うのか?」が今後の大事なポイントで、まさに各運用会社が知恵を絞っているところです。
  投資信託は様々なネット上の販売会社でも扱われていますが、まだ株式やFXが中心で投資信託だけを買うという方は少ないのではないかと思っています。つまり我々が今、顧客層と想定している「資産運用を始めたいけれど、悩んでいるお客様」に我々の思いはまだ十分に届いてはいません。思いを届けるためには、そこにネットの力を借りながら、どう情報を届けるのかが重要で、それに成功した会社が次のビジネス・モデルを確立することができるのではないかと見ています。我々はまさに今そこにチャレンジしています。
  また口コミの世界でも「資産運用とは有益なものだ」「これからの日本で、資産運用は必要なものなんだ」と共感していただけるかどうかが重要だと思います。資産運用の必要性や理念やコンセプトを理解してもらい、共感していただく。すごく地道な作業ですが、それをネットでやりたいと思っています。

より若い世代に訴求するために御社としてはどのような取り組みをなされていますか?

  今はコストの低い「インデックス・ファンド」を通じて幅広い商品を提供し、「お好きなものを、お安くお選び下さい。」という取り組みが主流だと思います。当社の戦略は逆です。「手間に見合う分のコストを頂戴できれば、お客様は選ぶ必要さえありません。一旦この一本を買って任せて頂ければ運用会社で運用機能をまるごとご提供致します。」というものです。
  インデックス・ファンドがネットで広まっているのは、たぶんネットで株を投資している方が入りやすいこともあると思います。我々は経験のある投資家のみならず、迷っている投資家のためのソリューションを提供していきたいと考えています。

つまり株から始めて投資信託に入るのではなく、その逆で投資信託が入り口で、そこから株へというイメージでしょうか?

  そのとおりです。コア・ポートフォリオと我々は呼んでいるのですが、トレンド・アロケーション・オープンは安定的なリターンを目指して運用を行いますので、お客様のポートフォリオのコアとして置いていただき、それ以上リスクをとってリターンを大きくしたい方は株のスパイスを入れたり、外貨のスパイスを入れたりすれば良いと考えています。
  このアイデアをどうやって資産形成層の方々に伝えて行くのかが本当に難しいところです。「何故銀行預金ではなく投資しなくてはならないのか?」という事から説明する必要を感じているのですが、大変苦労しています。

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<インタビュアー、記事執筆>
  高橋、白熊、桜町
<写真撮影等>
  加藤、黒川