eFundEvの高橋です。
手前味噌ではございますが、以前より大変面白いコラムである、と感じていた
弊社(パワーソリューションズ)社員が2006年に書いたコラムがありますので
ご紹介させてください。

(オリジナルURL)

http://www.powersolutions.co.jp/column/dev/20060323.html

2の0乗はなぜ1なのか

 表題の疑問は、以前、会社の者が、情報処理技術者試験対策の講義の中で生じた疑問として提示したものです。おそらく、2進数と10進数の変換に関連して発生した疑問であると思われます。そして、講師にこの質問したところ、納得のいく回答が得られなかった、とのことでした。
皆様でしたら、この疑問に対して、どのような回答を用意するでしょうか?
私は最初、次のように説明しました。

 2の0乗とは、2を0回かけた数である。2の1乗は2なので、それを成り立たせるためには、2の0乗という数字は、そこに2を1回かけた時に、その結果が2の1乗、すなわち2になるような数字でなければならない。そのようになる数字は1である。したがって、2の0乗は1である。

 これは、どうもすっきりした回答とは言えません。しばらく考えて、次のように説明し直しました。

 2の2乗は2×2=4、2の3乗は4×2=8……となる。ということは、これを逆にたどると、2の2乗は8÷2=4、2の1乗は=4÷2=2、2の0乗は=2÷2=1となる。

 この回答は直感的で分かりやすく、更に、2の-1乗は1/2、2の-2乗は1/4……と、負数乗の説明にも拡張できます。負数乗がなぜそうなるか、という疑問になると、もはや「2の-1乗とは、2を-1回かけた数である」などという考え方では説明が不可能だと思われます。
 この「2の0乗はなぜ1なのか」に似た疑問として、「マイナスにマイナスをかけるとなぜプラスになるのか」というものもあります。
 そもそも、数学において、なぜこのような疑問が発生しやすいのでしょうか?
 数学というのは、物理学などの帰納的な自然科学と違い、まず定義をして、それを元に演繹的に推論を進める学問であるため、定義そのものに意味は存在しません。したがって、先の疑問についても「2の0乗は1と定義したから」「マイナスかけるマイナスはプラスと定義したから」というのもひとつの正しい回答であると言えます。
 しかし、そもそもそれらの定義は、そのように定義するのが便利なため、そのように定義されているはずあり、そこに踏み込んで考えれば、自ずと回答が存在するはずです。
 人間は、あらゆる事象に対して、意味を求める動物です。仕事においても、それ以外の場面においても、意味の説明を求められる場面というのは、日常のあらゆるところに存在します。知識としてすでに知っているけれども、その意味を考えたことのない事柄について、その意味の説明を考えてみることは、説明を求められる局面に立たされた時のための良い訓練になるのではないか、と思わされた出来事でした。

システムエンジニア 吉田 真樹  2006/03/23

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